お茶の美味しい淹れ方
中国茶・台湾茶は茶葉の種類によって淹れ方は様々です。また、その時の気分や時・場合・場所によって簡単に淹れる方法や時間をかけて丁寧に淹れる方法と様々です。こちらでは基本となる美味しい淹れ方の手順を簡単にご紹介致します。
基本の淹れ方手順

〇茶壷で淹れる
1、用意していただく茶器
・茶壷(急須)
・茶海(うつし)
・茶杯(湯呑)
中国茶台湾茶を淹れる際の最も基本に揃える茶器は茶壷・茶海・茶杯の3つです。場合によっては茶海を使わないこともありますが基本はあった方がよいです。
2、あるとより本格的に楽しめる茶器
・ 茶盤(壷承)
・茶漉し
・聞香杯
①茶器を温める

茶壷に熱湯をいっぱいまで注ぎ蓋をします。次に茶壷のお湯を茶海に全て移していきます。そして茶海も温まりましたら次は茶海のお湯を聞香杯→茶杯の順に移して温めます。茶海に残ったお湯は茶盤や用意しておいた器に捨てましょう。
*茶器を温める理由、中国茶や台湾茶においてお湯の温度は非常に大切です。お湯の温度によって味と香りが大きく作用されます。茶葉を蒸らしている間もお湯の温度を一定の高さに保つために温めます。
②茶葉を入れ、蒸らす

茶壷の底(円)が隠れるほどの茶葉を入れ、お湯を注ぎ蓋をして蒸らします。この時に、先ほど茶海や茶杯を温めておいたお湯が茶器に残っている場合は捨てましょう。
例:お湯の温度100度、容量150㏄、茶葉3~5g
(茶葉の種類や茶壷の容量によって入れる茶葉の量は変わります。)
*蒸らす時間、お湯の温度は茶葉の種類により異なります。
③お茶をうつす

蒸らす時間が経ちましたら、茶壷のお茶を全て茶海に移します。茶壷の中にお茶が残らないように最後の1滴までしっかりと出し切ります。茶海に移し終えましたら、先ほどと同様に茶海から聞香杯へ移し、聞香杯から茶杯へ移します。そして空になった聞香杯の中に漂う香りを楽しみます。香りを楽しみましたら茶杯でお茶を頂きましょう。
*聞香杯は1煎目だけ使用します。2煎目以降は茶海から茶杯に移してお茶を頂きます。
-
茶海から聞香杯へ移す
-
聞香杯から茶杯へ移す
-
聞香杯で香りを楽しむ
④茶海や聞香杯を使わない場合(上級者向け)

茶海や聞香杯を使わない場合は、茶壷から茶杯へ直接移します。それぞれの茶杯のお茶を均一の量、均一の濃さに調整する必要がある為難易度の高い方法になります。
*注意する点
1、茶壷と茶杯の総容量を同量にする。茶壷にお茶を残さないために容量を計算しましょう。
例:茶壷150cc、茶杯50cc×3個=150cc
2、味の濃さを均一にする。
3、お茶がこぼれても良いように茶杯の下に受け皿や茶盤などを用意します。

〇蓋碗で淹れる(茶壷としての使い方)
1、用意していただく茶器
・蓋碗
・茶海(うつし)
・茶杯(湯呑)
2、あるとより本格的に楽しめる茶器
・ 茶盤(壷承)
・茶こし
・聞香杯
使用する茶器は茶壷の時と同じ。蓋碗を茶壷の役割としてお茶を淹れる場合は、茶海を用意しましょう。茶壷と違い注ぎ口が定まりにくいので、初心者の方は茶海必須です。
①茶器を温める

蓋碗の器8分目まで熱湯を注ぎ蓋をし、蓋の縁までしっかり温めます。次に蓋碗のお湯を茶海に全て移していきます。茶海も温まりましたら茶海から聞香杯→茶杯の順に移して温めます。茶海に残ったお湯は捨てましょう。
*お湯をいっぱいまで注ぐと蓋碗がとても熱くなり、火傷の危険があります。初心者の方はお湯を少ない量から練習しましょう。後ほど蓋碗の蓋裏で香りを楽しみますので、蓋もしっかり温めておきましょう。
②茶葉を入れ、蒸らす

蓋碗の底(円)が隠れるほどの茶葉を入れ、お湯を注ぎ蓋をして蒸らします。この時に、先ほど茶海や茶杯を温めておいたお湯が茶器に残っている場合は捨てましょう。
例:お湯の温度100度、容量150㏄、茶葉3~5g
(茶葉の種類や茶壷の容量によって入れる茶葉の量は変わります。)
*蒸らす時間、お湯の温度は茶葉の種類により異なります。
③お茶をうつす

蒸らす時間が経ちましたら、蓋碗のお茶を全て茶海に移します。蓋碗の中にお茶が残らないように最後の1滴までしっかりと出し切ります。茶海に移し終えましたら、先ほどと同様に茶海から聞香杯へ移し、聞香杯から茶杯へ移します。そして空になった聞香杯の中に漂う香りを楽しみます。香りを楽しみましたら茶杯でお茶を頂きましょう。
*聞香杯を使用しない場合でも、蓋碗の蓋裏で香りを楽しめます。
-
茶海から茶杯へ移す
-
お相手に渡す際は茶托にのせる
-
飲み終えた後は空の茶杯に残る香りを楽しむ
④茶海や聞香杯を使わない場合(上級者向け)

茶海や聞香杯を使わない場合は、茶壷と同様に蓋碗から直接茶杯に移す難易度の高い方法になります。
*注意する点
1、蓋碗と茶杯の総容量を同量にする。蓋碗にお茶を残さないために容量を計算しましょう。
例:蓋碗150cc、茶杯50cc×3個=150cc
2、味の濃さを均一にする。
3、お茶がこぼれても良いように茶杯の下に受け皿や茶盤などを用意します。
4、蓋碗の注ぎ口を丁度良い大きさで維持する。
手軽な淹れ方
◯蓋碗を茶杯として使う
1人でお茶を頂く際や、お客様にお茶をお出しする際にとても便利です。手入れも簡単で蓋碗一つで美味しく頂けます。
*熱湯を使用するため茶器とお茶が大変熱くなります。口内火傷には十分注意して下さい。
-
①予め茶器を温め、茶葉を入れる
-
②お湯を器半分〜6分目程度まで注ぐ
-
③いつもより少し短い時間で蒸らす
-
④利き手で蓋を少しずらし、お茶を頂く
-
⑤蓋裏の中央部分で香りを楽しむ
-
⑥茶水が1/3まで減ったらお湯を継ぎ足す
◯マグカップで淹れる
中国茶・台湾茶を楽しむ方法の中で最も簡単な淹れ方になります。用意して頂くのはお手持ちのマグカップのみ。
味が濃くなっていくので、渋味が出にくい茶葉を選びましょう。お写真では見やすいように耐熱ガラスカップを使用していますが、一般のマグカップでも勿論大丈夫です。
*台湾烏龍茶、紅茶、緑茶、白茶、花茶など
-
①予め温めておいたカップに茶葉を入れる
-
②お湯をカップ半分程度まで注ぐ
-
③蒸らす時間短めに、お茶を頂く